シンスプリント 下肢 整形外科疾患

シンスプリント:運動による慢性的な下腿内側の痛み

更新日:

スポーツやマラソンを行う方に起こりやすい、下腿内側の痛みを認めるシンスプリント。

その特徴や治療について解説します。

(今回も日本整形外科スポーツ医学会が発行するスポーツ損傷シリーズのシンスプリントの画像を一部使用しております。合わせてご参照ください。)

今回の10秒まとめ。

① シンスプリントとは、運動時または運動後に脛骨内側に慢性的な痛みや圧痛を認める疾患のこと。

② 足関節底屈筋の過負荷や立脚期の足部の異常回旋が原因と考えられている。

③ 脛骨遠位1/3内側に縦方向に5cm程度と比較的広い範囲に痛みを認める。

④ 患肢で片足ジャンプをすると疼痛の再現性を認める場合がある。

⑤ 治療の中心は患部の冷却と足関節底屈筋のエクササイズ・ストレッチ。

⑥ 立脚期の足部の異常回旋を矯正するインソール治療が効果的な場合もある。

シンスプリントとは?

シンスプリントとは、運動時または運動後に脛骨内側に慢性的な痛みや圧痛を認める疾患で、硬い路面でのランニングや足関節底屈筋(ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋)の過負荷や立脚期(足を地面についた時)の足部の異常回旋が原因と考えられています。

その歴史は古く、脛骨内側ストレス症候群( Medial tibi al stress syndrome :MTSS)として30年以上前からその病態の研究が行われています。

シンスプリントの症状は?

症状

  • 脛骨遠位1/3内側の痛み。
  • 縦方向に5cmほどの痛みの広がりを認める。

痛みが出現する部位に特徴があり、脛骨遠位1/3内側に疼痛を認めます。

また、縦方向に5cm程度と比較的広い範囲に痛みを認めます。

鑑別すべき診断に脛骨の疲労骨折がありますが、疲労骨折の場合、痛みの領域は局所的であるという特徴があり、この点がシンスプリントの違いです。

シンスプリントの特徴は?

特徴

  • 片足ジャンプにて疼痛の再現性あり。
  • 両側性の場合が多い。

シンスプリント疑った際、診察では患肢で片足ジャンプテストを行い疼痛の再現性があるかを確認します。

両側性発症が多いのも特徴と言えます。

シンスプリントの診断は?

診断

  • MRIにて脛骨骨膜に炎症所見を認める。
  • MRIにて疲労骨折を否定する。

もっとも大切なことは、疲労骨折を除外することです。

患部の冷却と足関節底屈筋のストレッチにて2週間程度経過観察を行っても症状の改善を認めない場合は、疲労骨折を疑いMRIにて評価を行います。

シンスプリントの治療は?

  • 治療初期では患部の冷却。
  • 運動時にも疼痛を認める場合は、運動を制限する。
  • 足関節底屈筋のストレッチ。
  • 足部回内を防ぐため、内側縦アーチサポートのインソール作成。

治療初期に患部の冷却を行います。

運動後のみ疼痛を認める場合は運動制限はしませんが、運動時痛を認める場合は2週間程度の運動制限を行います。

また、足関節底屈筋群の過負荷や過緊張が疼痛の原因と考えられるため、これらの筋肉の運動・ストレッチを行います。

シンスプリントが発症する原因の一つに、立脚時の後足部回内が挙げられます。また、立脚時に後足部が回内する方は内側縦アーチの低下を認めることが多いです。

このように後足部の回内や内側縦アーチの低下を矯正するために、内側縦アーチサポートのインソール治療を行います。

おまけ

実臨床では、内側縦アーチの低下を認めずどちらかとハイアーチで、立脚期に後足部が回内ではなく回外する症例でも、脛骨内側部の痛みを訴える方に出会うことがあります。

このような方でMRIを撮影すると、骨膜の炎症というよりも骨髄内に炎症性変化(骨髄浮腫)を認め、疲労骨折に近い所見を認める場合あります。

シンスプリントを臨床像の違いから一般型と重症型に分けて考えるという報告もあります。

もしかすると、この立脚期の後足部の回旋方向の違いやアーチの高・低が影響しているのではないかと考えております。

このような方ではインソールによって回外を制限するなどの対応を検討します。

シンスプリントを認める方では、その歩行姿を後ろから見ることが非常に重要です。

-シンスプリント, 下肢, 整形外科疾患
-

Copyright© 整形外科医.com , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.